こんな本読みました。

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感想文いろいろ4

2009/10/24(土) 15:28:13 感想文いろいろ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
エントリ一個分まるまる使うほど、いつものように1タイトルに2,000字以上も長々と書くほどじゃないけど、まあ一応思ったところを書いておこうの感想文いろいろ第4弾。
『幻竜苑事件』『ダブル・ジョーカー』『ミスター・ディアボロ』の3冊です。



『幻竜苑事件』 太田忠司 著 (創元推理文庫)
………狩野俊介クンシリーズ第二弾。前作同様かそれ以上に凝った人間消失トリック。実際こんなからくり出来るわけないよーと思ってしまうとシラケるので、俊介クンの純真さに寄り添うように読みました(笑)。子どもの目線からすれば、不思議なことは不思議なんですから。
それにしてもこのシリーズは、もしかしたら一定量のミステリを読みこなしている人が読んだ方がいいような気がします。まず最初にこのシリーズを読んでしまうと、他の探偵モノが上滑りしてしまうような。それくらい人間の醜い部分がクローズアップされていて、それでいて手掛りはあくまでフェアに。俊介クンは野上さんやアキちゃんや高森警部に見守られて、勇気を持って大人の醜さに直面しています。その健気さには、ひょっとしたらかの京極堂も敵わないんじゃないの?(笑)


『ダブル・ジョーカー』 柳 広司 著 (角川書店)
………昨年、大きな賞を2つも取るほど鮮烈だった『ジョーカー・ゲーム』の続編。多くの本読みさんが絶賛する中…うーん、私は少数派の「この続編は必要なかったんじゃ…」と思ったクチです。前作を読んでいればすんなり入ってくるので、ただわくわくすればいいのかもしれませんが、その前作で「D機関」と「魔王」についてある程度予備知識があるために、表題作の【ダブル・ジョーカー】にしてもたとえば【蠅の王】にしても、展開が読めてしまう。スリリングでスタイリッシュと評価の高かった前作『ジョーカー・ゲーム』のみを本編にしておく方がはるかに意味があったのではないかと思います。
最後の書き下ろし【ブラックバード】が一番の核心だと。第二次大戦で日本はどういう戦端をひらいたか、そして結果、敗戦に繋がるまでのパラレルワールドでさえ書き換えられない近代史に、「D機関」はどういう末路を辿ったのだろうと……読後数時間経っても苦い思いに悶々としました。
できれば、「魔王」こと結城中佐の若き日の活躍を描いた【棺】をスピンオフの長編で読みたかった!


『ミスター・ディアボロ』 アントニー・レジューン 著 (扶桑社ミステリー)
………確かに1961年発表という本格黄金期よりずっと後に書かれた本格ミステリとしては良く出来てるし、古典に恥じない作品ですね。ただちょっと小粒だという正直な感想ではありますが。
なにせ第一章でいきなり“ミスター・ディアボロ”という謎めいた人物が出てきて、登場人物と同様にそれに振り回されている間に、さくっと密室殺人が発生!次第に被害者の隠された本性が立ち現れてきて、さあ動機のある人物がポロポロとリストに挙がる。登場人物一覧には、誰が語り手のワトソンで誰が探偵役なのかが既に提示されているので、その意味ではスリリングな展開はないです。でもこれはたぶん、作者が私たち読者に向けた「作者からの挑戦状」と同義なのだと思います。手掛りは全てフェアに散りばめてあるし、絵解きのシーンであっ!と気付いてページを戻ればちゃんと書いてある。容疑者たちの人数もキャラクタもバランスがいいし、男女の比率も同じく。そういう点でも、本格ミステリ、それも不可能犯罪を見事に書き切った作品としてレベルは高いです。
…繰り返しますが、小粒なだけで(笑)。思うに解決部分があっけないからかも。特に密室殺人について。まあこの作品はどちからというと“ミスター・ディアボロ”の方が重要ですしね。もちろん不可能犯罪の帝王カーを意識しているのは感じますが、帽子の件やQ.E.D.のあたりを読むとこのレジューンという人はかなりエラリー・クイーンもイメージしていたんじゃないかな。この2大巨匠があまりにも大きいので、後続はどんなに頑張ってもそれ以上にはなれないのかなあ。同レベルまで到達することができれば歴史に名を残せるくらい。
それと、最初にカレッジ内の見取り図があるんですが、一見かなり雑なイラストやなあと思いましたが、実はこれがなかなか良く描けています。ポイントはちゃんと押さえてあるけど、余分なところは描き込み過ぎないで、読者の目線がウロウロすることもなく。もしかすると、この作品の成功は、このイラストにあるのかもしれないなあとまで感じ入ったしだいです。

1タイトルにつき長くなりすぎましたね…。この辺でやめておきましょう。

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