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感想文いろいろ3

2009/08/26(水) 02:54:30 感想文いろいろ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
ちょこっと感想文の第三弾です★
手を抜いているわけじゃない(はず…)ですが、とりあえず読んだ中から、『赤い月 マヒナ・ウラ』『探偵X氏の事件』『文系法医学者のトンデモ事件簿』の三つをご紹介。




『赤い月 マヒナ・ウラ』 森福 都 著 (徳間書店)
………すいません、私はこれまで、《森福都》さんと《森絵都》さんの区別がついてませんでした。ていうか、一緒くたにしてた…。森福さんの方は、推作協の協会員だったんですか。で、松本清張賞も受賞してたということは、ミステリーも書かれている作家さんだったんだー……(本格ミステリ、特に“新本格”を偏愛する私は、一般的なミステリーや社会派を書かれる作家さんは守備範囲外なもので)。
 ということで、この『赤い月 マヒナ・ウラ』が当然の事ながら森福さん初読。うーん、確かにミステリー仕立てなんですけど……ハワイの観光ガイドブックのような側面もあるほど、常夏のハワイ一杯の作品です。
ある人物の死は事件なのか事故なのか?怪しいのはその時同じ旅館に投宿して日本行きの船を待っていた人たち。当時ボーイとして働いていた直吉が死後なぜか90年後の曾孫の脳の中に入り込んで、その謎を解いてくれとけしかけるためにその人たちのエピソードを一つずつ述懐する。そしてネットで見つけた指輪の謎も。
ということで、多分ミッシングリンクタイプのミステリーですね。
ハワイがお好きなかたならスイスイ読めるのでしょうが、馴染みも、それほどの興味もない私はまず、ハワイ語のカタカナを咀嚼するのに一苦労。
でも、旅館の次男坊である磯次郎さんと直吉くんの素人探偵コンビの働きはミステリーとして読みましたよ。なんていうか、磯次郎さんの裏側がどうにも気になって最後まで信用できなかったんですけど(探偵役が実は犯人、とか)、ラストの種明かしで納得。こういう納まり方にしたかったから、90年後の現代の、曾孫の脳に入り込むという設定にしたんだなあ。
そして、淡い恋や仄かな憧れや、そんな夢のようなハワイでのいっときと、ハワイへの移民として大志を抱いて日本を離れるまでの、また定着するまでのなみなみならぬ苦労を強いられた過去、自立していく未来という現実感とのコントラスト。厳しくとも逞しくハワイの青い海の上での暮らし、けれども自分達のルーツは日本であり、自分は日系であろうとも日本人なのだという心の底流に流れる自覚。
 たとえば、よしもとばななさんは、よるべない魂の拠り所としてのハワイの特異性を軸に書かれることが多いですが、肉体を持つ私達の世界の楽園としてのハワイをこういう風に書く事もできるんだなあと思わされました。

『探偵X氏の事件』 別役 実 著 (王国社)
………『メフィスト VOL.2』のミステリ・ジョッキーにて、有栖川先生が紹介された「探偵X氏」。試しに図書館を検索したら、この本がありまして。
…いやー、よく最後まで読んだよ私!何度挫折しそうになったか…。
テレビのコント集みたいです。一話3ページ。そのどれもが、探偵というより街のお荷物、厄介モノのX氏の、本人だけが探偵気取りな話のオンパレード。中には、犯罪の片棒担いでる話まであったりする。MJで紹介されていた【六連続殺人事件】が、確かに一番まともですね……。アレでまともだということは…他は推して知るべし、ですよ。
でもなぜか、だんだんとしょーがないなあこの困ったちゃんは!こーゆー人なんやもんなー、などと、X氏を認めてしまう自分がいるんです。これはおそらく、X氏の日頃の言動にほとほと困り果てている街の人たちと、同じような心境なんじゃないだろうか。ポジション的に【めいたんていこなん】の小五郎さんのようなキャラクタじゃないのかな。
それとは別に、ミステリーのネタの宝庫だとも思います。見方を変えれば、叙述トリックのオンパレードともいえるし。
この1冊を受け入れられるかどうかは好みによってバラけるでしょうが、ユーモアミステリ以上に軽妙でリズムのいい作品集だと。

『文系法医学者のトンデモ事件簿』 南部さおり 著 (アスキー新書)
………わはははは!
また愉快な新書が出ましたね!
法学部出身で法学修士取得後、なんと医学部に入りなおし、結局法医学者として教壇に立つ、変り種の法医学専門家が書いた、裁判の事例集。
その双方向の目線からツッコミの入る、でもちょっと刑法民法の薀蓄漂う本です。でもそんなに難しくない軽妙な文章で、またそのツッコミが絶妙!
2時間ドラマやミステリでお馴染みの「殺人罪」や「傷害罪」、「過失」や「故意」など、その罪状名の中に広がる曖昧さというか通り一遍にはいかない事件の数々が紹介されています。
中でも最後の、《死者と霊にまつわる罪》は目からウロコでした。
特に、192~193ページに出てくる話って、これホンマかー?って。そうそう、●●婚って刑法で禁止されてたとは知らなんだ!(いえ、もっとも、かなりエグイ手段によるものに限ってのことだそうですが)
あと、200ページ目をまるまる使った表は暗記したいぞ。これはいいわ。
通勤通学のお供に、というにはいささか勇気の要るタイトルとカバー帯イラストですが、特にお酒大好きチョー愛してる!というかたには、必読の書だと思われます(笑)。

てことで。
実はもうひとつ書きたかったんですけど、既に2,000字超えてるのでここまでにして。
別にエントリしますか。
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