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『やわら侍・竜巻誠十郎 夏至闇の邪剣』 翔田 寛 著

2009/05/11(月) 13:25:17 翔田 寛 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 
 というわけで、シリーズ二作目です。
 うーん、やっぱり面白い!ていうか、ますます面白くなってますよ!
 またしても一気読みでした。
 ぜひぜひ読んでいただきたいので、ご紹介。



前作の『五月雨の凶刃』で、とあるお役目を拝命することになった竜巻誠十郎さん。
でも出だしは相変わらずビンボーで日雇いの仕事に汗する二十歳の浪人さんです。
そしてのっけから、またまた困ってる子ども達を見かけて、なけなしのお金を貸してやるという超が10個ほどつくくらいのお人好し。

翔田さんの作品に共通するところですが、こういう出会いを活かして事件に至るシーンへと動かすことのなんと自然な。
でもその間に、梶田さんとの本音語りのシーンがあったり、お給料はめっちゃいいけど仕事はめっちゃキツイ現場でそれでも腐らずに働いて、日雇いだというのに一緒に働いてる人たちとすぐに打ち解ける、素朴というか朴訥というか誠実な人柄の誠十郎さんの様子が、前作以上に活き活きとしていました。
前作で謎に包まれたままの事件と哀しすぎる別れとを、私達読者の側が誠十郎さんと共有しているので、どうしても応援したくなるってもんです。

また梶田さんや長屋のおかみさん達ともますます家族同然のいい関係になってて、事件を探る誠十郎さんに迫る危機との緩急の付け方が何ともいい感じですし。

そう、その危機。
誠十郎さんが《目安箱改め方》という役目を与えられることになる、幕府を揺るがす陰謀の、なんていうかラスボス?(笑)、まあ最終的な黒幕は始めから明かされていて、今回その手下というか実動部隊の顔が出てきました。
誠十郎さんの身に、再三の危険が襲ってきてもう傷だらけです~★

その敵キャラの中に、(翔田さんの作品をいくつか読んでて、多分そうなるんじゃないかと見当ついたんですがやっぱり…)、誠十郎さんがどうしても倒せない人が含まれているようなそうでないような…。
だとしたら、彼はもしかしたら最後は生きるか死ぬか、ふたつにひとつ、ってことになりそうです……。

えーと、事件の方はというと、8代将軍吉宗の後ろ盾として絶大な権力を誇る大奥の月光院と関わりの深い、人望篤い僧侶が、最近悪い噂に晒されている。これは事実なのか根拠が無いのか、それを調べる役目を言い渡された誠十郎さんですが、その前に関わった狐憑きの怪とかその他もろもろ、前作からの謎も絡んでかなり面白いミステリーになってます。

手がかりをひとつずつ手繰って真相に近付こうとするその前に、誠十郎さんには頭の中に手がかりを並べるうちにふわりと事件の核心に触れそうになるシーンがあるのですが、いかにも探偵って感じでイイですよー。

伏線が綺麗に埋め込まれていて、その回収も無理がなくて、これは私の思う本格ミステリとして十分です。
年末ベスト候補ですね。

その一方で、親子の愛情とか夫婦愛とか友情とか、そういう人間臭い部分も健在で、全く退屈しない。相手の力を削ぐ柔術だけではこの先勝てないと思い知った誠十郎さんの心の動きも、そのうちバカがつくほど正直者だった彼の、嘘がどんどん上手くなってしまうところも印象深い。そんなドラマ性とミステリの部分との絡ませ方が素晴らしくて面白くて読み出したら止まらないです。

前作に続き文庫書き下ろしなので、文庫派のかたにもオススメできます。
これから先、ものすごく凄惨な展開になりそうな雰囲気なんですが、でもこれを読まないのはもったいないと思う。
……ただ、この最新刊でさえ書店に無い可能性もあります…ので、取り寄せした方が早いかも。あーあ、もっと話題になってもいいと思うんですけどねえ★


(2009.5 小学館文庫書き下ろし)
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