こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

スポンサー広告 > 『弁護側の証人』 小泉喜美子 著
ミステリ・その他 > 『弁護側の証人』 小泉喜美子 著

スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- スポンサー広告 EDIT
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Comment (-)

『弁護側の証人』 小泉喜美子 著

2009/05/06(水) 23:20:31 ミステリ・その他 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 本格ミステリ読みのツワモノさんたちのレビューを見て、これはぜひ読まねば!と図書館で検索して、近々借りるつもりだった作品。
 そんな傑作がめでたく復刊されたので、わくわくしながら買いました。読みました。
 はーー。分かる。なんでそれほど絶賛されるのか。そしてこの豪華な帯も、さもありなん、ですよ。
 もうもうこれは、ぜっっったいに未読のかたはこの先にはお進みならないでくださいませね!



うーん、確かに騙されましたよ綺麗に。
ああこれは仕掛けかなーとか思って心して読み進めるんですけど、それでも十一章で、ころりと騙されてたことを知って、あーあ。

洗練度からすると、明らかに連城先生の方が綺麗ですし、私も連城ミステリの方が好きです。
驚いた度合いは、この前の『造花の蜜』の方が上だったから。

この『弁護側の証人』の仕掛けは、今じゃ結構ありがちというかそれほど珍しいものじゃないんです。

ただ、この構成がすごいと思う。
めちゃめちゃざっくりとあらすじを書くとすると、大富豪のどら息子とストリッパーあがりの女性が、全ての違いを超えて結婚したはいいけどやっぱり新郎の家族には認めてもらえず、それでも健気に頑張ってたらなんと舅が殺された!犯人として逮捕されたのは…。
ということで、ミステリの仕掛けとは別に小説としても珍しくないし。
けれど、ページは止まらない。
全く弛みがなく、緊張感に満ちた筆致。
一気に読み終えてしまいました。

で、すぐに再読したらば。
確かに手がかりというか、仕掛けの部分はちゃんと書いてあるんです。
ただ、読み手が自分から騙されてるだけなんです。
文句言える筋合いじゃありません。
なんて綺麗なフェアプレイ。
これほどの書き手さんが、短編とはいえ《エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン》に掲載されたのも納得です。

こう言ってはなんですが、わりと薄い本です。
その上、字面は大きいし平仮名も多いとくれば、読むのにそれほど時間はかかりません。
ただ、その薄さに比べてみると、なんと濃密で凝縮された内容であることか。
その意味でもお得だと思います。

ただひとつだけ。
この小泉さんの書き癖なのか、その平仮名の多さ、が私には逆に読みにくかったのも事実です。
桜庭さんのように「うれしい」「かなしい」などの感情表現が平仮名であるとか、そういうパターンならいいのですが、この作品はとにかく漢字表記の方が明らかにスムーズに読めるはずなのにそこを平仮名にしますかー!というくらい、平仮名多用です。
なので、句読点の範囲内であっても意味が分からないとか助動詞や副詞と繋げて読んじゃったーとか。そんな風にもたもたした私。
昔の小説って、みんなそういう風でしたっけ?
私にとって、一番読みやすくて肌に合ってるのは有栖川先生のと小路さんの作品なんですよね。漢字と仮名のバランスがいいんです。
そこだけがちょっと引っかかったので、これだけ綺麗な叙述ミステリなのに多分、私は年末ベストに入れることはないと思います。

でも、やっぱり、いいもの読みましたwww
楽しかった!


(1963.2 発表 1978.4文庫化 2009.4 復刊  集英社文庫)
スポンサーサイト
Comment (-)

ページの最初に戻る

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。