こんな本読みました。

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『猫の品格』 青木るえか 著

2009/04/29(水) 12:00:00 新書 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 …猫好きを自認するかたなら、このタイトルだけで飛び付きません?(笑)
 えーと。最初にお断りしておきますが。
 私、品格本は大嫌いなんです。本当は。(同様に『××力』とかいうのも嫌い)
 でもねえ、話が猫とくれば……しょうがないですよ猫なんやもん読まないと!
 とーこーろーがー。
 まずこれだけは。この本、TVや雑誌やブログでよく見るアイドルとかそんな見目麗しい猫のことを取り上げているんじゃないです。なので、そういう美猫しか好きじゃないかたにはオススメできません。



いやもう何がおかしいって、「猫なんか好きじゃないんだ猫の方が寄ってくるんだしょうがないから家で飼ってるんだよ!」と繰り返し繰り返し書かれているにも関わらず、隅々にまで愛情が満ち溢れてるんですよ。本当に猫が好きでなかったら、こんな生活できないって!

よく「犬好きな人は、自分ちの犬は可愛いけど他所の犬は好きじゃないって人が多い」という話を聞くんですけど。もちろん犬好きな人の全部が全部そんなことはないでしょうが。
で、猫好きはというと「そりゃ自分ちの猫様が一番、でも他所の猫も野良もとにかく猫ならなんでも可愛いんだっ!」と胸張って豪語する猫好きな人を、実際私は何人も知ってます。私も結構そんな感じ。

おそらくこの青木るえかさんも、そうなんでしょう。
道を歩いてたり自転車で走ってたりする途中の猫レーダーのところなんかもう、うんうんと頷くしかないんですから。
そうそう、道で野良を見かけて「おっ、にゃんこwww………(じーーーっと見つめる私)」、でも当然のことながら野良は逃げます怪しいニンゲンになんか近寄れません。
でも、置いてけぼりにされた私はというと、
《~~などと思い返すこともあまりない。ごくふつうの、息を吸ったら次には吐く、というような感じで、猫を見つけ、猫を見送り、猫を忘れる。》
その通りでございますよ。

ということでツカミはオッケーw
次の爆笑シーンは、何と言っても夜、寝てる青木夫妻を起こすやり方!
うーわー♪
確かに寝てられたもんじゃねえ!なあ(笑)
老猫でポケて食べた記憶が無いなら無いで、もっと必死に起こせばいいのに、そんな攻撃されたらねえ……腹が立つというより諦観しますわねもう。でないと付き合ってられん!
そうやってニンゲンを無理矢理起こすくせに、お昼間の自分達が昏々と眠り続けてるときには何されても起きない猫って……ひどいなそりゃ。

また、猫飼い家の一日、とかエピソード満載の獣医さんとか。ハルキムラカミの猫エッセイの素晴らしさとか(ムラカミ氏の小説は全くと言っていいほど読んでないんですが、むしょうにこの大先生の猫エッセイを読みたくなった!図書館行って借りてこよう♪)。小説や映画なんかに出てくる猫の話とか。
猫好きならふんふん頷きながら読めると思いますが。

私がこの人の主張に激しく同意したのがね。

《猫を飼うということは、美しい生活と無縁になること》

そうそうそうなんですよ!
TVや雑誌やネットで、ホコリひとつ落ちてないピッカピカの床や爪の砥ぎ跡のない壁紙、そんな猫カフェかモデルハウスのような写真を見るにつけ落ち込んでた私を救ってくれたこの一言!
猫が家に居るということは、それが完全室内飼いであろうが半野良(毎日テリトリーのパトロールとか夜の集会に参加して御飯のときと寝るときには家に帰ってくる猫を含む)だろうが、家の中はすごいことになるんです!
足で身体中をカカカカカッと掻きまくるもんだから毛束が飛ぶわ、その毛束を核にしてあっというまにホコリが溜まるわ(だから我が家はクイックルワイパーのシートを片手に家中を走る羽目になる……)、トイレの砂は猫の好みでそれぞれだと思いますが、肉球に挟まったり身体に付いたまま部屋を歩くのでトイレの砂で床がすぐにザラザラしてしまうのでスリッパが必須だわ……★
そしてなんと言っても、猫は吐く!!
所構わず吐く!
カーペットの上だろうがソファだろうが、果てはニンゲンのベッドの上だろうが知ったこっちゃない!
なので必然、カーペットは一年で廃棄処分できるくらいの安物、家のあちこちに拭き取りスプレー(洗濯機では洗えない布製品などにシュシュッとかけて除菌する洗剤)と拭き取り用の古布を設置してあるんですウチは。
そして私に限っていえば、女王様の吐瀉物を私の両手で直に受けるくらい、なんとも思わなくなりました。赤ちゃんを産んだお母さんが、抱っこしたときのヨダレとかオムツの替えを何とも思わないのと同じだと思ってください。

それからもうひとつ、この本の主張で頷けること。

猫は、飼い猫だろうと野良だろうと、もっと自由気ままな生き物である、ということ。

最近は都市部では特に、野良に御飯をあげる人を見ると、「無責任にエサをやらないで!野良が増えて困る!」とキーキー目くじら立ててクレームつける人が多いですよね。
でも、それって昭和の時代だったら、そんなこと言わなかった気がするんです。
たとえ猫が嫌いな人でも、見て見ないフリするとか猫の多い道は避けるとかして自衛しながら、野良猫と地域が共存していたはず。
猫を飼ってみなくとも猫が好きならわかると思いますが、猫って、臆病です。そして犬並みに学習します。
猫を虐めるニンゲンが来たら、逃げます。
御飯をくれて可愛がってくれる人間が来たら、寄ってくるんです。
そしてそれは、ニンゲンがことさら何かしなくても、ちゃんと感じ取るんです猫は。
そうやって、大昔から、ニンゲンと一緒に生きてきたんです。

それが、やれどこぞの野良が庭を荒らすとか夜暗い道で眼が光るのが気持ち悪いとか、猫にとっては存在理由なことにクレームつけられても……それは「人間は歩くとき足を2本しか使わないから気持ち悪い。だから食っちまえ」とライオンやトラに言われてるのと同じです。

この話についても青木さんはムラカミ氏のエッセイを引用していますが、本当に、《猫たちもまた『世界』を形成するひとつの存在なのだ》という文章が美しくて泣けます。
そうなんです。猫好きにとって、飼い猫も野良も、世界の一部なんです。
猫のいない世界のいびつさを想像するだけで吐き気がします。
そういうことなんです。

他にも、いろいろと笑えるエピソード満載ですが、結局、猫を見て自分を見る、ということで『猫の品格』=『人間の品格』なんですね。同感です。
品格本を買い込んで勉強する後づけのハウツーを品格高いなんて誰も思わない。
持って生まれたもの、育ってきた環境、そういう自分を形成してきた全てに、自分という存在の品格はかかっています。
そして猫は、見目は関係なく、美しい生き物だと私は思います。
我が家の女王様は、今月、満13歳になりました。
まだまだ元気でいてほしいです。


(2009.4  文春新書)
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