こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

新書 > 『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』 竹内 薫 著

『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』 竹内 薫 著

2009/04/21(火) 13:14:10 新書 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 うーん、そろそろ新書のカテゴリ作ろかな…。 
 
 これも楽しみに積んでいた1冊。
 で、文字は大きいし文章は柔らかいしでするする読めました。
 ……ただし、内容を全てちゃんと理解できたかと言われると、全く自信がありませんが。
 まあ、「脳みそがぐにゃぐにゃに柔らかく」という謳い文句が効いたのか、結構なベストセラーになったようですねこの本。
 組織の歯車に組み込まれて人間関係にイライラしたときなどには、いい1冊だと思いますよ。



以前にご紹介した、『もしもあなたが猫だったら?』(中公新書)の方が、本書よりも後に発売されているので(本書は2006年2月初版、『もしも~』は2007年12月)、順番を間違えたかなあと思います。最初にコレを読んだほうがよかったかも。
内容が一部、重複してるので。

のっけから「飛行機が飛ぶしくみは、いまだに分かっていないんだよ」と言われても…。そんな生活してるわけじゃないけれど、飛行機を頻繁に利用するとかたまたま飛行機に乗ってるときに読んでなくて良かったあ。いつ落ちるかとびくびくしてしまうですよ。

竹内先生が物理学などを専攻されているので、当然この本のほとんどは物理科学をはじめとする理系な話です。
ガリレオのこと、帰納法と演繹法、ニュートンとアインシュタイン、そしてホーキング博士、太陽系と宇宙の始まり、その他もろもろ科学という世界の固さと硬さ、私達の思いこみ…。

科学を研究する人にとって、思いこみはイコール仮説です。
仮説があって、現実がある。

ところが、文系な私のような人間には、まず現実があって、その上で仮説にぶつかるような気がします。
ただし、学者や権威ある人が提唱する仮説を、まるまま鵜呑みにしてしまう。文系の悪い癖ですね。でも、そういう賢い人のように考えようとしても無理なんやもん。

ただ、本書の中に、太陽系の惑星のセクションがありまして、あの冥王星のことにも触れられています。
この本が書かれたのがたったの3年前、そのたった3年間の間に、冥王星は惑星から小惑星に格下げになるという、この本で多分そうなるだろうと予言されていることが現実に起こりました。
それが、なんと言うか、仮説は簡単に覆るという竹内先生がこの本で言いたかったことをリアルに体現したようで、ぞくぞくします。この本のタイトル『99.9%は仮説』が現実味を増すとでも言うのか。

で、この本を読んだブロガーさんの感想に、「科学書という名の自己啓発本だ」ということを書いてた人がいるのを見て、ああなるほどなあと思いました。

実は、私が一頃読み漁ってたスピリチュアル・ニューエイジ世界の本の数々には、正反対の方向から、全く違う言葉で、でも同じことが書いてある、という印象を私も持ったんです。
つまり、この本『99.9%は仮説』という新書は初めて読んだけれど、中身は初めて向き合うものじゃなく既に私の中にあるものだ、という。

スピリチュアル(ニューエイジ)を擬似宗教としても、結局、哲学や宗教と、科学は同じ頂上を目指すものなのだと再認識。
哲学は科学である、というようなことを竹内先生はこの本の中で書かれています。
哲学史を研究する機関があるのなら、確かに科学史を研究する場所も必要でしょうね。

話は逸れますが、だいぶ前のことです、イギリス人ジャーナリスト、グラハム・ハンコック氏の『神々の指紋』が世界的なベストセラーになったことがありましたね。
その後、続編とも言うべき『創世の守護神』も発表。
私はこの2作品、計4冊を舐めるように読み耽りました。
それくらい、ツボに嵌まったというか、面白かったんです。

勿論、古代史の専門家とか考古学者たちには蛇蝎の如く忌避され焚書扱いにした大学の先生もいたとネットのどこかで見かけました。

でも、私はそこまで徹底的に否定できるほど今現在の定説の歴史というものを、信奉してはいないんです。

だいたい、聖書だってキリスト自身が自らの手で書いたのではなく、弟子達が後々になって主の教えを自分なりの言葉で書き止めただけでしょう。その上、ヨハネなんとかサン達が、恣意的に捨て去った書もあったのだ、と最近になってナショジオなどで世界に発信される始末(あの“ユダの書”がそうですね)。
西暦ゼロ年、として記録が格段に明確になるこのキリストの時代のことでさえ、そんな具合なんですよ。(キリスト教徒のかた、お気を悪くされたらごめんなさい)
紀元前何千年前どころか、文字すら持たなかったとされる先史時代のことなんて、誰が真実を知りえると思います?
考古学者とか言語学者、人類学者の人たちが、多分こうであろうという“仮説”を立てて、それに副った発掘をしたり研究をしたりして、今の歴史書が組み上げられた、という私の認識は、小娘の頃からありました。
私の人生の一部である古代エジプト文明にしたって、もしあのシャンポリオンがロゼッタストーンの解読の時に何か一文字を間違っていて、それに気付かないまま現在に至ることも全くないとは言えないはずです。そしたら、今の常識の古代エジプト文明は違った様相を呈するでしょう。ということは歴史は完全に定説ではなく「仮説」だと思ってもいいということ。

ハンコック氏は、「人類の歴史は、進化ばかりではなく退化しうることもある」として、あの大ピラミッドを、有史以前に存在した高度な文明からの遺産であり、階段状から正四角錐に「進化」したものではなく逆方向に向けて「退化」したものじゃないか、と主張しました。
これ、絶対に間違ってるといえますか?
ピラミッドが建造されたまさにその時代を生きた人が存在しない現代、真実は誰にも分からない。
今までの「定説」通り階段ピラミッドから進化したかもしれないし、正四角錐から階段状へと退化してしまったのかもしれない。

別に、古代エジプトに限ったことじゃなくて、世界中に散らばるオーパーツ(歴史上、存在してはならないもの、とされる遺物)を総合した結果、今の歴史の常識は違うのかもしれない、と『神々の指紋』及び『創世の守護神』で主張したハンコック氏。
さすがに氏の主張が火星生命体にまでいっちゃったときにはもう、ついていけなくなりましたが(苦笑)

ということで、私の中で、人類の歴史というものはいつまでも「仮説」扱いです。
ある日突然、180度引っくり返っても、それどころか螺旋状に覆されても、全く驚きません。むしろ、そうあってほしいくらい。
その方が、ぞくぞくするほど面白いと思うのです。
自分が学校で習ったものはなんだったのか、パラダイムシフトを自分自身が体験できるチャンスなんて、そうそうないでしょう?

閑話休題。

長くなりましたが、結局、この本のタイトルである『99.9%は仮説』は言い換えれば『“99.9%は仮説”という概念が「真実」であるという説が、残りの0.1%である』ということではないでしょうか。
思考実験として、面白い本だと思います。ぜひどうぞ。

※この本に詳しく紹介されている車椅子の天才宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士が、体調を崩して入院されたそうです。重篤であるとか。
一日も早いご快復をお祈りしております。


(2006.2 光文社新書)
スポンサーサイト
Comment (-)

ページの最初に戻る