こんな本読みました。

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『恋文の技術』 森見登美彦 著

2009/03/14(土) 22:19:34 森見登美彦 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 さすが京都在住の人気作家モリミー。ジュンク堂では平台はもちろんのこと、壁のディスプレイまでこのポップで可愛い『恋文の技術』で埋め尽くされていましたよ!
 四条河原町交差点のあの人混みの中を歩くたびに、ひょっとしてモリミーが居てはらへんのやろか♪とキョロキョロしてしまう私。挙動不審。
 そしてこの新刊も当然モリミーワールド全開ですww
 いやもう大爆笑☆☆☆
 現在、誰かに片想いしてる男性諸君、ゼヒともこれを読みたまへ。
 



またあまりにも可愛い装丁なので、「これは次女じゃないの?」と思っていたのですよ(長女は『乙女』ですね)

でも、読み始めてすぐに、「ああこりゃ確かに七男やわ☆」と納得。

(長女だの次女だの七男だの、というのは<モリミーの日記を参照のこと>

それにしても、よくもまあ300ページ以上もある1冊まるごと、全文を手紙で書き切ったことですよ。あっぱれ。
それも主人公・守田一郎氏が投函した(するはずのものも含めて)手紙のみで語られ、相手とのやりとりは一切ありません。守田氏の知らないところで、誰かと誰かがやりとりしているセクションはありますが。
帯の惹句にあるように、“新・書簡体小説”は合ってます。その通りです。

でも、読み終えて気付きました。

これ、文通相手とのやりとりになってるけれど、もしかしたら守田氏の一人芝居というか、全部が守田氏の代筆じゃないのか?
一人能登半島に飛ばされて、淋しい暮らしと研究生活のなか、自らの無聊を慰める為に、京都の大学院にいる気心の知れた後輩や、以前の家庭教師をした教え子や、悪魔のような女帝や、可愛げのない妹や、友人の作家・森見登美彦氏とのやりとりに見せかけて、ひょっとしたら守田氏は1冊の小説を書いたんじゃないのか?

そんな気がして。

穿ち過ぎでしょうか…。でもなんだか、モリミーのことだから、“森見登美彦”になってるけれども、守田一郎という淋しくて悲しい、そして愛すべきアホな男のペンネームだった、という仕掛けのような読み方もできるのですよ。

いつもいつも、モリミーの作品を読んでいると、こんな男が近くにいたら絶対に近づきたくないと思うような、妄想でぱんぱんの救いようのない男には違いないのに、何故か可愛く思えるから不思議です。
(あ、狸は違うか…)
そして性別は関係ないと思いたいけど、やっぱり男ってやつはみんな、度し難いほどに見栄っ張りのええかっこしいの理屈っぽい生き物なんですねえ(大暴言)

最初のあたりはもう、うーわーこんな奴、絶対イヤだー!と思う典型の守田氏、こんな奴から手紙もらっても、返事なんか出すもんか!と私だったら即ゴミ箱へポイですが、こんなどーしよーもない守田氏にも、相手をしてくれる後輩や先輩や軍曹や友人の作家や元教え子や妹がいるのです。

守田氏は、言い訳や理屈を長々と連ねたり、責任を擦り付けたり、説教を垂れたり、大見栄を切ったりと、悪あがきもいいところですが、そんなこと相手はぜーんぶお見通し。調子を合わせてくれているだけ。
(このズレ具合が、逆に守田氏の自問自答なような気がするという風にも取れる)
結局は、守田氏の片想いの相手に、どうやって手紙を出そう、どうやって想いを伝えようという一点に尽きるのですが、その手紙というものに対するスタンスが、少しずつ悟りの境地に入っていく第七話あたりからトーンが変わります。
そして、子どもの頃に、赤い風船に付けて飛ばした手紙に偶然にも返事が届いて、それが初恋だったというのは、ものすごくいいなあと。

手紙というものは、便箋に書いてポストに投函するだけじゃなくて、書いている間のうきうきした気持ち、いつ返事が来るかとわくわくしながら待つ気持ち、その返事が自宅のポストに入っていたときの喜び、そういうのもひっくるめて文通なんですよね。
私も小学二年生から最後は高校生くらいまでずっと文通していた友達がいたので、ものすごくよく分かります。いまでも、お手紙を出すときは、ちょっと緊張もするし(なにせ私の書く字は、クセがあって変に読みにくいのです…)、逆に思いがけなくお手紙をいただいた時は、小躍りしそうなほど嬉しい。
メールにはない、相手をより実感できる温かさ、でもそこはかとない生々しさがあって。

この作品の話に戻りますが、一番の読みどころは、おそらく第九話だと思います。
もう一人で大爆笑ですよ。
確かにこんな手紙を突然もらったら、彼女はずざざざざっっと引くはずですよ。出さなくて良かったねえ。というより、よくぞ思い止まった!

そして世の男達は、どうしてこうも、お○ぱ○が好きなんだ!←スパムよけですよ。これそのまま書いたら、間違いなくスパムがどさどさやってくる…。

挙句に「○っ○い万歳!」とは……アホだアホだ、いやもうどーしよーもないバカ(大笑)。
何がそんなにそそるのか、私にゃさっぱり理解不能。これのどこに…じーーーっ。(襟ぐりをひっ掴んで中を見る)……分からん。謎。

読み終えてしばらくは、頭の中には“おっ○○万歳!”が渦巻いておりましたわ…。こんな私がどれだけ嫌か…男達には分かるまい……はははー。

でも、手紙の中には、それなりにいいことも書いてあるので許す。

能登のよく言えば朴訥な?ま、ぶっちゃけ淋し過ぎる風景や、京都の懐かしさ、守田氏の慰めになったイルカまで、ずぶずぶの生ぬるい院生の毎日には、手紙は楽しくてストレス解消にもなることでしょう。その描写が書簡小説としてよく機能しています。

今はメールばかりですから、直筆の手紙は新鮮に感じるような、なんとも淋しいご時世。
1度、レターセットを引っ張り出して、手紙を書いてみましょうよ。

書けない漢字が多すぎて、愕然としますよ(笑)
ケータイやPCの変換機能は、ありがたいやら罪つくりやら。

(2009.3 ポプラ社)
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