こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー』 養老孟司・竹内公太郎 著

2009/03/14(土) 22:15:10 新書 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 どこかの本読みさんのブログで知った本です。
 教えてくださってありがとう!とお礼を言いたい。
 そして、もっと多くの人に読んでほしい!
 極端な話、学校の課題図書にしてください。
 そして。
 自信を失って社会全体が停滞する今の日本に住む私たちにとって、これほど明るい話はありません。未来を憂うのであれば、ここに書かれていることを真剣に考えるべきだと思います。



新書の良さは、分かりやすい言葉でバカでもアホでも理解できるようになっていることだと、私は常々思っています。

以前、『国家の品格』でしたっけ、あれがたいそうな評判を呼び、メディアでも取り上げられることがたびたびあって、私も珍しく、へぇどれどれと買ってみました。
序盤でもう吐き気がしました…。もちろん、1/3も読めずに放り出しましたよ。
なんでこんな気持ち悪いんだろう、なんでこんなのが絶賛されるんだろうと不思議で仕方がなかったのですが。
この『本質を見抜く力』を読んで分かりました!
『国家の~』は、冒頭からずっと、きれいごとしか書いてないんです。自画自賛というのか美辞麗句の連なりで、全く理解不能でした。

人間、誰だって欲があります。
自分勝手な欲です。
当たり前です、私の世界は自分を中心にまわってるんやから。ヒーローでありヒロインなのは自分自身です。

そのところを見ないで、ただ日本人は素晴らしいとかなんとか言っても、じゃあその素晴らしい日本人の中の私は一体どんな風に素晴らしいのか、それを教えてくれないと。

閑話休題。

この『本質を見抜く力』は、目に見えない言葉や精神論よりも、そこにあるモノを基点にしています。
ただし、それは日本の歴史を縄文時代から翻って踏まえた上で、さらに百年二百年先の未来のことをまず考慮した、言葉とデータに基づくものです。
そしてこのデータというのが、新聞やテレビ、ネットでも見たことのない、霞ヶ関の役人がひた隠しに隠し続ける資料と裏話の数々です、興奮しましたよ。

環境問題といえばとにかく真っ先にエネルギーの話になるんですが、戦争とか紛争なんてものは全てエネルギーの奪い合いであり、石油を持たない国が負けるのが当然。

養老先生は極論として、「石油なんて使い切ってしまえばいい」とこの対談の中で何度も名言されていますし、竹内氏も「資源が枯渇していくのが分かっているのに寒冷化に向かうよりは、温暖化の方がましだ」と。
こんな風に考えたことはなかった。
だからと言って、モルディブとかボルネオなど太平洋の海抜の低い国々が水没してもいい、というのとはまた別の議論ですからね。
日本は省エネや環境開発では世界最先端技術を持っているから、石油の枯渇のことを考えるなら確かに「アメリカに石油を使う権利はない、燃費のいいクルマを作る日本に使わせろ」というのは正論、ではないですか?

日本はモノ作りが上手です。
それも、小さくコンパクトにしたり、縮めたり。簡略化・省略化したりするのは得意です。
ホワイトカラーという言葉に象徴されるように、アメリカや中国などの大国を始め多くはモノを生産しないのが一流でモノを作るのは二流という風潮が蔓延しているけれども、日本が胸を張って堂々と「自分たちは二流でいく」と宣言する勇気があれば、日本の未来は明るいのだそうです。
ものづくりの日本人。
目に見えない不思議なお金を転がす人たちが一流なんじゃない。
ものを作る、生み出すひとが、たとえ二流と見なされようと一番強い。
まして、小さくつくることは日本人が最も得意とするところ。お隣の中国・韓国にしたって、縮めるよりも広がる方が、大きくする方が好きな国民性。
日本人にしかできないことがある。
細工をしないから「不細工」と言うし、詰め込まないと「つまらない」と言う。(←これは知らなかった!なるほど!)
そういう国です。

“国家の品格”とは、こういうことを言うのではないでしょうか?

とにかく、なんだかさっぱり分からない、国民のことなんて全く考えてない霞ヶ関の官僚制度を、国土保全という観点から組み直せばいいのだ、ということみたいです。
農業も漁業も林業も、第一次産業をまず抜本的に、というか早い話全てをひっくり返して膿を洗い出し、国土保全の為に速やかに動けるように編成しなおす。
その時に、百年二百年先のことまで考えられる人が必要で、その人たちがこれからの日本のリーダーになれば、日本の未来はかなり明るい。

少子化は避けられないことで、むしろ江戸時代前期と明治維新後の人口爆発を考えれば、もっと少なくていい。(税収の面からすればけしからん話でしょうが)
食料自給率が発表されていますが、あれはまやかしで、官僚達は自分たちに都合の悪いことは一切国民には知らせない。
マスコミの話を鵜呑みにしないで、欲しいデータは自分の体を使って調べないといけないんですね。

ライバルという言葉はリバー(河・川)が語源なんですって。ご存知でした?

本州の東北・関東・中部・近畿・中国という区分は、あれは日本列島が形成される前のバラバラだった島の区分なんだそうですよ。

こういうトリビアなことも知りつつ、官僚制度の問題点も教えられ。

官僚を否定するのではなく、数を、人数を半分に減らして、お給料を倍にすれば、彼らはもっと働くはずなんですって。

どれほど腐っていようと、やっぱり官僚という人たちは国を動かすプロなんです。だったら、もっと働いてもらえばいい。だから彼らの給料は税金なんです。
町のおまわりさんや消防士さんや郵便局の配達人さんを否定する人はいないでしょう?
霞ヶ関で一日中座ってる官僚達にも、町に出てそれくらい体を動かして働いてくれれば、市民は誰もバッシングはしません。

そして、国民の方も、荒れ果てた農地を転売して金に替えることに汲々とするのではなく、今までの自分達の考え方を改める必要があります。
官僚にだけ、要求や欲求を突きつけるのではなくて、自分も、現在の問題だらけの社会にどう寄り添えるのか、ちゃんと考える。
市民が責任を放棄して考えなくなったら、国は荒れます。

日本全体が、大きなパラダイム・シフトの時代にあるのだということを、ひしひと感じました。

就職難で、大卒者の採用もほとんどない今のご時世、その若い体力と優秀な頭脳を第一次産業に振り向けてくれたら、多分、日本は少子化であろうが資源がなかろうが、じゅうぶん世界とわたりあっていけますよ。

この本には他にも、もっともっといろんな問題について触れられています。

一人一人感じ方が違うでしょうから、とにかく読んでみて、自分なりにこの本の中身を咀嚼してください。
自分自身に反省が必要だと思えば明日から頑張ればいいし、自分の子どもに分かりやすく噛み砕いて話して聞かせるのでもいい。
そうして、少しずつ社会全体にパラダイム・シフトが起これば、日本は変わると思います。日本は今クライシスなのではなく、絶好のチャンスなのかもしれません。

(2008.9  PHP新書)
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