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『赤い月、廃駅の上に』 有栖川有栖 著

2009/02/27(金) 18:39:45 有栖川有栖 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT

 “九十年代のクイーン”とか“日本のエラリー・クイーン”と呼ばれるほど、保守王道の本格ミステリを書く先生が、初めて怪談集を出すと聞いたときは意外に思いましたが、全て鉄道絡みということでなんとなく納得(笑)。
 実は怪談誌『幽』は全く読んでいなくて、全て未読の短編集。わくわくしましたよ。
 それほど薄い本でもないけれど、先生の文章に馴れているせいか、するすると読めました。
 怪談にネタバレとかいうのはタブーというより野暮なので、未読のかたは野暮を承知でのみ、この先にお進みくださいませ。




はーーー。

有栖川先生らしい、読みやすい短編集なんですけどねえ。

“読みやすい怪談”ってのもどうよ、と思わなくもなかったり(苦笑)

ぶっちゃけ、あんまり怖くないんですけどー!どーしましょう先生★

綾辻先生の『深泥丘奇談』のときは、読んでるそばから背筋がぞぞぞぞ~っとしたもんですが…。未だに忘れられない【サムザムシ】……。うえっ(涙)。

表題作の【赤い月、廃駅の上に】は確かに、得体の知れない何者かの気配があって、訳の分からない事態が進行しているような展開がクライマックスに待っていましたが。

どのお話も、怪談・ホラーというより、怪奇・幻想小説と言った方がしっくりします。
あるいは、パラレルワールド。
こちらの世界とどこかで繋がっているらしい、あちらの世界への入り口を、少しかいま見たような。

こないだ新潮文庫から出たアンソロジー『七つの死者の囁き』に入っててもOKな【黒い車掌】や【シグナルの宵】、【最果ての鉄橋】【途中下車】。

先生がさぞ楽しかっただろうなあと思った、【夢の国行き列車】に【テツの百物語】。【貴婦人にハンカチを】も、先生のテツ属性がよく出てましたよね(笑)

それと、なんとも表現のしようがないけど、印象深い【海原にて】。これ、昨年私がオススメした本のうちの1冊、『牧逸馬の世界怪奇実話』にひょっこり載っていそうな気がしたんですが、ということは、これはホラーじゃなくて怪奇小説ですね。

また、線路が密林が生きて蠢く【密林の奥へ】。
これ、東南アジアに旅行に行くという計画を立てている人にはオススメできません(笑)

“海原”って、これはテツの短編集じゃ?と思ったら、まさか海原にこんなのが走ってるとは思わなかった(笑)。
それと【最果て】、辻真先先生の『デッド・ディテクティブ』ばりの取材不可能なところに走る鉄道が、まさか事故るというびっくり(爆)、なんか親近感が出てくるぢゃないですか!

という愉快な短編集(おい)。

怪談集であるのに、やっぱりどこかミステリ風で、だから馴染みやすかったのかもしれません。本来、私は怪談とかホラーって読まないものですから。

多分、有栖川先生は骨の髄までミステリ作家で、たまに違うジャンルを書こうとしても、その本来の姿を端々に覗かせる。
かの『幻想運河』は、幻想とミステリが見事に溶けあった長編でしたが、この本は、怪奇とミステリの融合のような感じがしました。

ということで、意外に(失礼)面白いんですよね。ホラーがダメでも。

えーと、私が好きなのは、【最果ての鉄橋】と【途中下車】。

欲を言えば、(あれ。このフレーズ、昨日も書いたな…)……一編だけで十分なので、全く救いのないお話が欲しかったかなあ。と思いました。
火村シリーズ(作家シリーズ)の方が、救いのない短編が割と多いような気がします。あの【絶叫城殺人事件】なんて、何度読んでもどうしようもない虚無感に囚われますもん私。
つまり、ホラーよりも、ミステリ(殺人事件)の方が、どうしても救いのない世界なんでしょうね。

ということで。
有栖川先生、火村シリーズの、新しい短編とか中央公論新社からの長編とか。首をながーーーくして待っておりますwww

でも、次は、ミステリーYA!のノンシリーズになるのかな。で、これは予定通りに4月に出るのでしょうか………??

(2009年 メディアファクトリー)
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