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『ジェネラル・ルージュの伝説』 海堂 尊 著

2009/02/26(木) 15:13:03 海堂 尊 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
『ジェネラル・ルージュの伝説 海堂 尊ワールドのすべて』

 シリーズ第1作目の『チーム・バチスタの栄光』に始まる、怒涛の海堂ワールドを著者自らが解説したオフィシャル・ガイドブックです。
 田口・白鳥コンビを中心にしたシリーズと、『このミス』に掲載された短編を含む、そのリンクというかサイドストーリー…とは言わないよね、こんなに刊数が出てると(苦笑)…とにかく今まで海堂先生が世に送り出した全ての作品を網羅しています。
 これだけの作品数になると、登場人物が膨大な数にのぼるので、頭がこんがらがった人も多いはず。それに、そろそろ時系列を整理したいよう、という人にはいいですね。
 ただし、書き下ろしの『ジェネラル・ルージュの伝説』は、やはり先に『凱旋』を読んでおかれることをお勧めします。




まず、『伝説』の部分からいきましょうか。

千里眼・猫田サン、怖いーーー!

一発目がそれかい(苦笑)

医局に来て1年目の新人医師なんざ、猫田サンの前には子ども同然です。
かんっぺきに掌の上でコロコロされてます(笑)。
この人には、さしもの速水先生も完敗です。

ブラックペアンの世良先生もだいぶ貫禄出てきたところで頼もしいし、黒崎助教授は既に居丈高の頑固ジジイだし。
後の“ハヤブサ”こと花房さんもまだ可愛いって感じ。
で、“行灯”の田口センセはやっぱり田口センセだった(笑)。

そして。
速水先生の怖いもの知らずの若さが可愛いなあとも思うし、翼を持ってると信じてる彼がちょっと可哀想でもある。

『凱旋』では、何故“ジェネラル・ルージュ”(血まみれ将軍)と呼ばれるようになったのか、それはもう伝説なんだよ、ということでさらりと通り過ぎただけでしたが、こういうことだったのね。
速水先生にとっては、「伝説」とは“伝説”じゃなくて“恐怖”と“挫折”のターニング・ポイント。猫田サンと捌き切れないほどの数の死傷者に、その軽やかな翼をもぎ取られ、神から人間になった瞬間。
花房さんのルージュをぐいっとひいたのは、スタッフを睥睨する為じゃなくて、自分を奮い立たせるためのお呪いだったのか……。

だったら余計に、真っ赤のルージュは、とことんまで似合わない人でないとダメですね。

あのスタッドコールのハッタリも凄みがあって素敵ww

恐怖を知った速水先生は、もうてっぺんに上ることはできないかもしれませんが、それこそが人間として人間に真摯に向き合うという覚悟のような気がします。
地に足がついた。
まさにそれですね。

だからこそ、『凱旋』の速水先生の行動がより光ります。もういっぺん『凱旋』を再読したくなってきたよ。(そんな時間は全く取れないんですけどね、今は。)

でもまさか、冴子さんと城崎さんまで出てくるとは思わなかった。
そうか、だから速水先生は、冴子さんのアルバムは持ってたんだ(『ナイチンゲールの沈黙』)

欲を言えば、もうちょっと長く読みたかったなあ。正味90ページほど、この中に速水先生や田口センセに冴子さんにバンドの不和とデパート火災。ちょっと短いです海堂先生。もっとこってり詰め込んで欲しかったですよ。


さて。
ここからは、海堂先生のヒストリーから作品解説、名言集に人物相関図に年表に用語解説ときて、最後はなんとカルトクイズ100問!

もともと海堂先生ご自身がガチガチのお医者さんというよりどこかチカラの抜けた、それでいてロジカルなAiの伝道師みたいな感じだし、私みたいな頭の悪い一般人にも分かるような言葉で説明してくださるので、その文章もまた読みやすいです。

結構笑えるデビュー前のエピソードの数々や、医師になっていろいろと学んだこと考えたこと、そして辿り着いたAiの重要性。
このヒストリーは、本当に面白いし、でも考えさせられる内容です。

あ、それと。
全国の書店員さんへ。
特に本屋大賞の選考に関わってる人たちへ。
この本の129ページを熟読されたし。
特に、来月投票締め切りの本屋大賞ノミネート作品を見て、げんなりした私の、言いたいことがちゃんと言葉になっています。
本屋大賞というものが自家撞着に陥ってるというか、形骸化してきてるなあと思うのは、読者側だけじゃなかったんですね。
海堂先生というベストセラー作家でさえ、首を傾げる本屋大賞のアピールの仕方。
ビッグネームのデッドヒートにして、その結果として売り上げが上らなくては意味がない、というその一点のみで突き進んでいるような最近のノミネートを、ちょっとだけ振り返ってみてください。

思い当たるフシはありませんか??

名言集も懐かしいものから最近のものまで、あーあったあった♪と思い出しながら読みましたが、実はこの中で一番好きなのは、『イノセント・ゲリラの祝祭』のスカラムーシュ、彦根クンの

「たとえ国家は滅びても医療は必ず残る。医療とは人々の願いであり、社会に咲いた大輪の花なんです。医療の花に、欲にまみれた愚鈍な手で触るな。」

なんですよね私は。

他にも素晴らしい名言がいっぱいあるというのに……。


すっとぼけた海堂先生の心の声を読んで、にまにましてました。
凄まじいペースの刊行の動機がそういうことで、また速筆が板に付いてるというのがすごい。
遅筆なミステリ作家の先生はいくらでもいはりますが、数年単位で待たされる楽しみ(自虐ともいう)と、次々に繰り出される置いてかないでー的な楽しさと。
海堂先生は、このペースで正解なんでしょうね。
ということで、4月にまた新刊が出るようです。連載が纏まったもの。
買いです。
大変です。
頑張ります。

あ、人物相関図は、今までに出ている全ての作品を読んでいないと、分からない部分があります。
はい、なるべく早くに積読を読みますので。
その時にまた、この相関図をじっくり見てみます。
皆様も未読の作品があったら、なるべくさくさく読みましょう。

この本の言いたいことって、つまりはコレなんじゃないだろうか……。

(2009年 宝島社)
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